神戸屋レストランのコンセプトづくり

パン屋のつくるレストラン

1970年
日本に、初めてファーストフードやファミリーレストランが紹介されました
話はその頃まで遡ります

欧米化の波に乗り
お蔭様で、パンは日本の朝食風景の一つになりました
しかし、陽が昇るとパンは菓子へとその顔を変え
甘くて便利なおやつになったのです

昼食や夕食にもパンをという人は、まだまだ少数派…
どうすれば昼食や夕食にパンを選んで頂けるか
途方に暮れていた頃の話です

経験のないサービスの領域に
創業の熱き想いを膨らませ
パンの美味しい食べ方を紹介する
正直、この使命感だけが心の支えでした

私たちは、パン屋のレストランになりたい

「パン屋のつくるレストラン」
この言葉が、走馬灯のように頭の中を駆け巡ります

どうしたらなれるか
そもそも「パン屋のつくるレストラン」とは何か

暗中模索する中、ひらめいた発想は
全てをパンに合わせることでした
当時の外食産業の常識に照らし合わせれば
とんでもない発想でした

全てをパンに合わせる

1975年
全てをパンに合わせてメニューを決めます
今考えるとあまりに短絡的、パン屋の独りよがりでした

勢い余って「御飯は置いておりません…」
お客様からお叱りを頂戴し
大失敗
「パンも選べるレストラン」として仕切り直しが必要でした

しかし、パンへのこだわりは捨てきれません

私たちは、パンをその場で粉からつくる、スクラッチ製法にこだわっています

ならば、パンに合わせ料理も店舗でつくる
セントラルキッチンを持たないでおこう
料理もデリカテッセンも、その場で素材から調理しよう
こうして一つひとつ、想いを積み上げていきました

私たちが一番自信のあるもの
パンを焼く香り、『世界一幸福な香り』です

お客様とこの経験を共有したい
そんな空間づくり

「私たちはお客様の身近なキッチンでありたい」

この発想が、後に Kobeya Kitchen の代名詞となる

窯を前面に押し出したレイアウトになりました

そして、その香りを料理の空間に取り込む
パンを焼く香りと料理の匂いの競演
調理場も前面に押し出す
厨房までオープンキッチンにしました

全てをパンに合わせることで
パンとレストランにハーモニーが生まれ
パンの美味しい食べ方との出会いの場になる
こう考えたのです

床、壁、天井、パン棚、テーブル、椅子から什器、備品まで…
全てをパンとつき合わせ、素材選びを進めます

パン屋のつくるレストラン、全てパンに合わせたレストラン
こうして、一つひとつ決めていきました
それが「パン屋のつくるレストラン」
ベーカリーレストランです

見た目はそんなに変わりませんが
パンづくりの想いが随所にこもっています
そして今も、新たな「パン屋のつくるレストラン」、探し続けています

このページのトップへ▲